2016年5月31日火曜日

『ワイルド・スピード MEGA MAX』ネタバレあり



監督:ジャスティン・リン
主演:ヴィン・ディーゼル


どのあたりがMEGA MAXなのかよくわからない『ワイルド・スピード』シリーズ第5弾。
このシリーズは回を重ねるごとに、どんどんスケールアップしています。かなりおもしろいです。



あらすじ

逮捕され、護送中のドミニク・トレット(通称ドム)が乗った護送車を、ブライアン・オコナーたちが襲撃。超絶運転テクニックで死者を出さずにドムを脱出させる。
しかし、ブライアンの恋人でドムの妹のミアまで犯罪者となり、追われる身となった。

彼らはブラジルのリオデジャネイロに高跳びする。そこでかつての仲間ヴィンスと再会する。そして、高級車を盗む仕事を手伝って逃亡資金を調達することにする。

仕事に成功はしたが、車の持ち主はリオ最大の権力者エルナン・レイエスのものだった。レイエスは奪還のために手下を送りこみ、ドム達を殺しにかかる。さらに、失敗知らずのFBIホブスが捜査の手を伸ばしてくる。

逃亡生活に終止符を打つため、ドムは仲間を集めて前代未聞の大仕事にかかる。



感想

展開がとにかく熱い!「ファミリー」の絆が固いんです。
絶対に仲間を見捨てないって単純ですが、胸打たれます。


仕事のために仲間を集めるっていうオーシャンズ・スタイルってカッコ良くないですか?大好きです。
役割に合わせてその道のエキスパートを集める。で、その後みんなが活躍する。

今回、仲間を集めるまでは良かったんですが、その後の見せ場がちょっとイマイチ。活躍してない人がいるんですよ。活躍の場があるのに他の人に持ってかれたりとか。
でも、活躍するかどうかは別として、みんな均等に登場するから気にはなりません。


クライマックスの頭の良いんだか悪いんだかよく分からない銀行強盗は、最高です。
金庫を丸ごと車で引っ張ってリオの街を破壊しまくるという発想は一体どこから湧いてきたのでしょう。
さらに金庫を守る銀行を金庫で破壊するというユーモア付きです。
ここまでやられたら名作としか言えなくなります(笑)


映画を観終わって気になったことは、次回作に向けた伏線が見当たらなかったことです。足を洗うのに十分な金を手に入れて、綺麗に終わっています。制作の舞台裏などは全く知りませんが、当初は続編を作る予定が無かったかのようです。
それでも続編を作ってくれたおかげで『スカイ・ミッション』というとてつもない映画ができた訳ですが。

2016年5月30日月曜日

『トイ・ストーリー』2つのメッセージ〈ネタバレあり〉



監督:ジョン・ラセター
制作:ピクサー・アニメーション・スタジオ


共同脚本に『アベンジャーズ』監督のジョス・ウェドンがいて驚きました。
1995年公開の初めてのフル3DCGアニメーションです。初なのにクオリティがものすごいです。犬以外は。



あらすじ

おもちゃが人間がいない間に動き出す!

アンディという男の子のお気に入りのカウボーイ人形ウッディは、他のおもちゃたちに一目置かれるリーダー。

アンディの誕生日が来て、たくさんのプレゼントが送られてきた。そして新しいおもちゃ、スペース・レンジャーのバズがやってきた。
ウッディを遥かに凌ぐギミックを持ったバズは、ウッディに代わりアンディのお気に入りになる。

嫉妬に耐えられなくなったウッディはついに一線を超えてしまう・・・



2つのメッセージ

大人も子どもも楽しめるこの映画には、それぞれに合ったメッセージが用意されているように感じました。


子ども向けのメッセージは、すぐに分かります。
「おもちゃは大事にしましょう」
ウッディたちはそのために戦うし、口でも言ってるので明白です。



わかりにくいのは大人向けのメッセージ。こちらは人それぞれの解釈があると思います。


注目したのは、空を飛ぶバズです。
彼が飛ぶシーンは3回あります。

1回目はウッディ達の前で飛んでみせるとき。勢いを利用して飛んでいるように見せましたが、これはウッディの言う通り格好よく落ちているだけ。

2回目はCMを観て、自分がおもちゃだと初めて気づいたとき。2階の手すりから飛ぼうとして、無様に落ちてしまいます。

3回目はアンディの車まで飛ぶとき。自分がおもちゃだと受け入れた上で見事に飛びます。バズ曰く、格好よく落ちているだけ。正確には滑空してます。


2回目に飛ぼうとした時、バズは自分がおもちゃであることを受け入れられずにいました。そして、自分がスペース・カウボーイであることを証明するために飛びます。

3回目では、彼はおもちゃとして飛びます。ここが2回目と違うところです。重要なのは、おもちゃなのに飛べたことです。
なぜ飛べたのでしょうか?

それはおもちゃであることを受け入れた上で、おもちゃとして飛んだからです。

これがメッセージです。
おもちゃはおもちゃとして初めてその真価を発揮できる。つまり、本来の役割通りの場所でこそ、実力を発揮できるということです。適材適所ですね。

偉そうに言ってますが、「つまり」以降はあんまり自信ないです。

2016年5月28日土曜日

『ゲーム』ネタバレなし

監督:デヴィッド・フィンチャー
主演:マイケル・ダグラス



あらすじ

投資銀行家で金持ちのニコラス・ヴァン・オートンは、豪邸に家政婦とふたりで住む、寂しい生活を送っていた。

弟のコンラッドがニコラスの誕生日プレゼントに、CRSという会社でゲームに参加できるカードを渡す。乗り気ではないニコラスだったが、偶然CRSのオフィスを見つけ、申し込みをする。

数日後、ニコラスは自宅にピエロの人形が捨てられているのを発見する。そしてゲームが始まった。



感想

色調も雰囲気も暗く、何が起こるのかさっぱりわからず、あんまりおもしろくないと冒頭で思いましたが、ゲームが始まったら釘づけになりました。
かなりおもしろい映画です。

誰がCRSなのかがわからない。何が目的なのかもわからない。そして状況は二転三転し、ものすごいどんでん返しが待っている。
ここまで展開が読めない映画もなかなか無いと思います。

正直、ラストは理解に苦しむハッピーエンドでした。
意外と評価が割れる映画かもしれません。いずれにせよ、オススメです!


ゲームを通してニコラスが成長(おっさんですが)していきます。でも、ここまでしないと成長できないのかよ・・・とも思います。
恐ろしいゲームですから・・・。

2016年5月25日水曜日

『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』2回観たからわかること〈ネタバレ注意〉



あらすじはこちらから

今回はネタバレありで考えて行きます。



物語の構造

最初だけ観てもわかりませんが、後半になってようやくこの映画の構造が分かります。

「忌まわしき花嫁事件」は実際に起きたものですが、それを解決する19世紀のシャーロックは空想です。現代のシャーロックがハイになりながら精神の宮殿で推理しているに過ぎません。
つまり、この映画のほとんどはシャーロックの頭の中だけの話なのです。

そのため、実際に過ぎた時間はマイクロフトが飛行機を呼び戻すために電話してから10分かそこらではないでしょうか。

面白いのが、19世紀のシャーロックも現代の出来事を空想か何かのように思っていることです。現実と虚構の区別が曖昧になっています。



なぜ「忌まわしき花嫁事件」なのか

なぜシャーロックはクスリまでやって過去の事件の推理をしたのでしょうか。


拳銃で脳みそを吹っ飛ばした女が生き返って夫を殺し、その後も殺人を繰り返す。これが「忌まわしき花嫁事件」です。

これと同じことが現代でも起きていました。モリアーティはシャーロックの目の前で、拳銃を使って脳みそをふっ飛ばしました。しかし、そのモリアーティが復活して「会いたかった?」というメッセージを送ってきます。
「忌まわしき花嫁事件」を通してモリアーティ復活の謎を解こうとしたのでしょう。


シャーロックが画面の外を向いてひとりごとを言うとき、それは19世紀のシャーロックではなく、現代のシャーロックの言葉になっています。

「彼女(エミリア・リコレッティ)」を「彼(モリアーティ)」と言ったり、「もっと深みに・・・」とか言ったりするのがそれです。最初から事件の解決ではなくモリアーティの死の証明が狙いだったと考えると筋が通ります。



モリアーティは死んだのか?

クスリでヘロヘロになりながらもモリアーティの死を証明することができました。が、何を以て証明としたのかは正直よく分かっていません。

確かにエミリア・リコレッティの仕掛けは暴きました。モリアーティ自身も、シャーロックの頭の中にしかいないと言っていました。
でも、いつシャーロックがそれに気づいたのかが釈然としません。

「忌まわしき花嫁事件」解決を以て、モリアーティの死の証明としても良いのでしょうけど、リコレッティ夫人の替え玉の遺体探しの下りの意味がよくわかりません。


こりゃ3回目観ないといけませんかね・・・

2016年5月24日火曜日

『デッドプール』試写会レビュー!ネタバレなし

6月1日公開『デッドプール』の試写会に縁あって行ってきました!

クソ面白いクソ最高な映画でした。周りは静かだったけど終始爆笑し続けていました。そこらのコメディ映画より笑った。
観終わった後は言語中枢やられてクソを連発するほど。

グリーン・ランタンが乾いて床にこびりついた精子に見えるくらい面白かった。
シビル・ウォーのモヤモヤを吹き飛ばすスッキリ爽快ムービーだ!!


頭のネジが何本か抜けたようだけど、ネタバレしないようにがんばる。ですます調吹っ飛んだけどがんばる。



あらすじ

映画館まで楽しみはとっておきましょう。



これはヒーロー映画か

映画館まで楽しみはとっておきましょう。



第四の壁

映画館まで楽しみはとっておきましょう。



言える範囲の感想

初心者でもかなり楽しめるはず。クソ予備知識はなくても良い。クソおまけ映像あるから最後まで席を立たないこと。


こういうこと。


今のところ今年ベストの映画。アクションの質も異様に高いし、クソ権利の壁を超えた怒涛の小ネタの嵐に笑わずにはいられない。それに加えてまさかの・・・これは言わないほうが良いかも。
知識関係ないネタもたくさんある。
あまりにも面白いから周りのマナーの悪い客なんて微塵も気にならない。


悪い所を見つけるのが得意な日本の学生的クソ目線で悪い所も言おう。
クソ冷房が寒かった。18時半スタートだと途中でお腹が減る。自分の押し殺した笑い声がうるさい。小ネタが多すぎて拾いきれない。ひとつ小ネタが凄すぎてそっちに気を取られる。あそこで修理中(?)の・・・いや、これ以上は言うまい。



予習は必要?

必要ありません。観るにしても、せいぜい『ウルヴァリン X-MEN ZERO』くらいかな?

もし小ネタを全部拾いたいって言うなら、がんばれ。君が映画オタクなら不可能じゃないが、普段映画観ないなら今から始めても間に合わない。


どうしてもっていうならリストにするよ。ここから先はネタバレに繋がるかもしれないから、自己責任で。

文句言われても知らんからな。




誰かどうしてもって言えよ。




予習&小ネタ対策の映画と知識

まずは知識編(順不同)
・スター・ウォーズ オタクの気持ち
・デッドプール製作の背景
・ライアン・レイノルズ
・第四の壁の言葉の意味
・スタン・リー
・現代の若者とTwitter
・リーアム・ニーソン


続いて映画編(順不同)
・ウルヴァリン X-MEN ZERO
・X-MENシリーズのどれか。ウルヴァリン単独作はちょっと違う。←俳優も覚えとく事
・スター・ウォーズ エピソードⅤ 帝国の逆襲
・キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー
・アイアンマンシリーズのどれか
・グリーン・ランタン
・ブレイド2
・96時間シリーズ←主演俳優もチェック!
・ナントカっていう名作映画。観た事ないんだよな。←じゃあ書くな
・スパイダーマンが出てる映画←基礎知識あるなら不要
・バットマン・フォーエバー←基礎知識あるなら不要

まだあるけど、わからないor忘れた。


最後に音楽編
・WHAM!


映画館から家までの1時間半。感想を考え続けてたどり着いた境地があります。これに関して一切の質問・意見等は受け付けません。


ブレイク・ライブリーになりたい。

2016年5月23日月曜日

『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』ネタバレなし



監督:ダグラス・マッキノン
主演:ベネディクト・カンバーバッチ


現代ロンドンを舞台にシャーロック・ホームズとジョン・ワトソンの活躍を描く、大ヒットのイギリスドラマです。
今作は舞台が19世紀に戻ります。理由は本編を観ればわかります。



あらすじ

ホームズのもとにレストレード警部が訪れる。そして、いつになく怯える彼の口から事件が語られる。

花嫁姿のエミリア・リコレッティが自宅のバルコニーから通りに向けて発砲。その後自殺した。
しかし、その晩にエミリアの夫が殺害される。その犯人もエミリア・リコレッティだったという。

自殺してから殺人をする。急に喜びだしたホームズが調査を開始する。



2回観ろ!

この映画は1回観るだけでは解決しません。理由はネタバレになりますが、是非2回観てください。ちなみに、犯人を知ってからのほうが楽しいという話ではありません。

1回目観た時は、半分ほどしか理解できませんでした。情報量が多いことと、入り組んだ編集も要因ですが、2回目でスッキリ解決しました。


舞台は19世紀ですが、しっかり続編になっているので過去作の復習は必須です。観とかないとわけがわからないです。

SHERLOCKの過去作はこちらから(Amazonへ)

ところで今作は、シャーロックとワトソンの出会いから描かれます。そこで「なんだ。ただのリメイクかよ」と思った瞬間、既視感のある展開は終わりを迎えます。ご安心ください。
時代は変わっても、シャーロックの名推理と毒舌は健在です。話の展開が素早いところも同じ。満足です。

おなじみの登場人物も、見た目がちょっとづつ変わって出てきます。これはなかなか面白かったです。特にマイクロフト(笑)


19世紀を舞台にしていますが、テーマは現代的です。しかし現代を舞台に描くのは難しいでしょう。半ば強引に感じますが、言いたい事は伝わりました。


ただ事件を解決するだけで終わらないのが今作の偉いところ。意外と重層的なんです。観終わったあともあれこれ考えてしまう傑作です!

2016年5月21日土曜日

『スター・ウォーズ エピソードⅠ ファントム・メナス』ネタバレなし



監督:ジョージ・ルーカス
主演:リーアム・ニーソン、ユアン・マクレガー


『フォースの覚醒』が公開された頃の金曜ロードSHOWで放送されたものを録画して、ようやく観ました。



あらすじ

『新たなる希望』から遡ること32年。

突如、通商連合が惑星ナブーを封鎖した。

この事態に、共和国のヴァローラム最高議長はふたりのジェダイ、クワイ=ガン・ジンとオビ=ワン・ケノービを特使として派遣し、交渉による解決を図る。
しかし、交渉どころかジェダイはバトル・ドロイドに攻撃される。


ジェダイは連合の船を脱出。ナブーに降り立ち、捕らえられた女王とともに首都惑星コルサントを目指す。



銀河の情勢

初めて観る人は急に政治の話で困惑するかもしれないので、少し解説します。


銀河を統治していたのは民主主義の共和国。首都惑星コルサントにある元老院では、各惑星や星系の代表である議員が話し合いを行います。
ちょうど国会みたいなものです。
共和国のトップが最高議長。『ファントム・メナス』ではフィニス・ヴァローラムです。


共和国に仕え、銀河の平和と正義を守るのがジェダイ・オーダー。コルサントに本拠地であるジェダイ聖堂があります。


ナブーは、アウター・リムと呼ばれる銀河外縁部にある平和な惑星です。
選挙で選ばれた女王によって統治され、『ファントム・メナス』ではアミダラが女王です。彼女は最年少で女王に選ばれました。



感想

30分ほどカットされており、しょっちゅう音楽がぶつ切りされて違和感を感じました。
でも、退屈な政治の話ももそれなりに短くなっているからアリかもしれないです。


みんなが言うほど、ジャージャー・ビンクスはウザくないと思います。ボス・ナス含めて頭のネジは足りてないですが、良いコメディ要素になっていると思います。(あくまでユーモアではなくコメディ)
ちなみに『クローン・ウォーズ』ではウザかったです。


クライマックスのダース・モール登場シーンはシリーズで最も劇的かつ印象的でかっこいいと思います。あれを見せられたら好きになるしかないです。

2016年5月19日木曜日

『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』ネタバレなし


監督:スティーブン・スピルバーグ
製作総指揮:ジョージ・ルーカス、フランク・マーシャル
主演:ハリソン・フォード



あらすじ

舞台は前作『レイダース 失われたアーク』の1年前にあたる1935年。

香港で中国人との取引がこじれ、いろいろあってインディと相棒の少年ショート・ラウンド、そして歌手のウィリーが乗った飛行機が墜落。3人はインドに降り立つ。

助けてくれた村の人にデリまで案内を頼んだが、その前に盗まれた神の石の奪還を頼まれる。石が盗まれたせいで川は干上がり、農作物も枯れてしまった。さらに子ども達まで奪われてしまったという。

インディ一行は石を盗んだ邪悪なサギ―教の連中がいるという宮殿に出向くが、そこで盛大におもてなしをされる。
その夜、インディは隠し通路を見つけ足を踏み入れる・・・



感想

面白いですが、鑑賞ストレスが多め。
登場人物のキャラが良くないです。B級ホラーばりに叫ぶブロンド美女のウィリーは、冒頭の歌のステージのシーンから嫌な予感を振りまいています。
ラウンドはちょっと態度がでかすぎ。要所要所でイラッとします。

このふたりのイラッとする振る舞いでストーリーが展開して行くのは結構しんどかったです。


一方、インディのほうは相変わらず最高です。彼に非はありません。

クライマックスは、問題のふたりが実に適切な役割を担っています。素晴らしい。
さらに、満を持して登場するトロッコです。インディ・ジョーンズらしいアクションが最高です。


結論を言うと、ウィリーとラウンドさえ我慢できれば、かなり面白い映画です。
前作のセルフオマージュや『スター・ウォーズ エピソードⅣ 新たなる希望』のオマージュもありました。ユーモアもほど良く混ざってくるところも良いです。
ホントに、ダメなのはあのふたりだけ。

2016年5月17日火曜日

『スター・ウォーズ フォースの覚醒』光の使い方について



スマホのちっさい画面で『フォースの覚醒』を観てみたんですが、なかなか良いですね。どこでも気軽に観られて便利です。

ただ、初見の映画を観ようとは思いませんでした。さすがに迫力が無さ過ぎるので(笑)
これからもちょっとした待ち時間とかにさくっと観たいですね。



希望の光

さて、今回は光の使い方について考えてみようと思います。
J・J・エイブラムスと言えばレンズフレアが眩しいことで有名ですが、それは横に置いておきます。
そのときの状況を説明する意味を持つ光についてです。

ちなみにネタバレ注意です。



まずは、冒頭のシーン。青白い色の惑星の光にスター・デストロイヤーのシルエットが浮かび上がります。そして惑星はそのシルエットに隠されてしまいます。
これからファースト・オーダーが襲ってくるという不吉な空気を作りだしています。


このような光の演出はクライマックスで最も盛んです。

そもそもポーが太陽を見上げながら
「輝いている限りチャンスはある」
って言っちゃってるあたり、「光=希望」であることが強調されています。


この設定はハン・ソロとカイロ・レンが対峙するシーンでとてもうまく使われています。

ハンとレンが向かい合っているとき、上の階にフィンとレイが現れます。そのときに開けた扉から太陽の光が差し込み、ハンとレンを照らします。
このとき、レンには家族のもとに戻るという未来に心が揺れています。そして、涙声で本音を吐露します。同時に、光を差し込ませたフィンとレイが希望であることも表現しています。


スターキラー基地がすべての太陽エネルギーを吸い尽し、あたりが闇に包まれます。すると、ハンとレンを照らしていた光は消え、通路に灯されていた血のように赤い光がふたりを照らします。そして、悲劇が起こります。
これは見た通り、希望の光が消え、カイロ・レンはダークサイドに留まる決意を固めたということです。


最後。レイとレンのライトセーバーバトルの後、倒れたフィンのもとにレイが駆け寄ります。しかし、惑星は崩壊を始めており、どこにあるかも分からないファルコンまでひとりでフィンを運ぶか、見捨てるかしないと助かる望みはない。
この絶望の中、突如レイを一筋の光が照らします。チューイーがファルコンに乗って助けに来たのです。
これこそ「希望の光!」というシーンです。



ジョージ・ルーカスが作った6部作では、このような光の使い方はされていなかったように思います。これもJJのスター・ウォーズの特徴と言えるでしょう。


2016年5月16日月曜日

『秋刀魚の味』ネタバレなし

監督:小津 安二郎
主演:笠 智衆


三大巨匠のひとり、小津 安二郎監督の遺作です。

同じような内容の映画が多い監督なので、何がネタバレなのかもよく分かりませんが、肝心なところは言及してないつもりです。


あらすじ

早くに妻を亡くし、男手ひとつで子どもたちを育ててきた平山周平。しかし、家事は娘の路子に任せっぱなし。路子も24になり、そろそろ嫁に行かせる頃。

友人は縁談を持ちかけたり、気を遣ってくれるが、なかなか路子を嫁にやる気になれない周平。

当の路子も周平と末息子の世話があるため家を出ようとしない。

結婚し、別居中の長男・幸一や友人の温かい助けを得ながら、なんとか路子を嫁に行かせようとする努力が、「老い」と「孤独」をテーマに描かれる。



感想

小津作品を観るのは『麦秋』『東京物語』に続き3本目です。観終わったあとの、なんとも言えない寂しいような感じが良いんです。



ストーリーはすごく単純なんですが、どうして引き込まれるのでしょうか。観ていて全く飽きないです。

多分、感情を言葉以外で表現するシーンが多いから、それが表す意味を自分で読みとらなければいけない所に要因があるのではないでしょうか。

「あの人はなんで泣いたのだろう?」
という疑問をなんとなく考えながら観進めると
「なるほど、そういうことだったのか」
となります。
割とこういうことが多いです。

だから観る人によってとらえ方も変わるし、映画がその分深くなっています。
こういうの好きです。


タイトルになってる「秋刀魚」が全く出てこないので、何か深い意味があるのかもしれないと調べてみました。そしたら、「秋に公開する映画だったから」という理由で『秋刀魚の味』というタイトルにしたそうです。
拍子抜けですね(笑)


『麦秋』との比較

ちょっと調べてみたら、『麦秋』が1951年で『秋刀魚の味』が1962年。
10年以上経ってるんですね。

もう戦後って感じではなくなっていましたが、人々の中には戦争の記憶がはっきりと残っていることが印象的でした。


女性の立場も少し変わっていました。
「男は仕事、女は家事」というのは変わりません。でも『麦秋』で夫の言うことを素直に聞いていた妻が、『秋刀魚の味』では「それくらい自分でやりなさいよ」と口答えしていました。

特に長男夫婦はそうで、ほとんど今の夫婦と変わらないようでした。

10年で変わるもんなんですね。
まあ今では主夫やイクメンまで登場していますから、世の中変わったものです。
私はどんな立場でものを言っているのでしょうか・・・?


小津監督と言えば、独特な撮影方法や小道具の配置のこだわりなど、他の監督とは一線を画しています。
まだ観たことがないという方は、是非1度ご覧になってみてください。意外と面白いですよ。

2016年5月15日日曜日

『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』ネタバレ注意〈その2〉

2回目を観てきたので、再びネタバレ感想書きます。



ブルックリンのガキ

なぜスティーブ・ロジャースがバッキーにこだわるのか考えてみました。

まずは、ラムロウと戦ったあとの、スティーブとワンダの会話をヒントに考えてみます。


スティーブは
「バッキーと聞いて、ブルックリンの16歳のガキに戻ってしまった」
と言っていました。

スティーブとバッキーは幼馴染でしたっけ?とにかく第2次大戦が始まる前から親友だったわけですから、見捨てられないのは分かります。
親友のバッキーを取り戻したいのです。

ブルックリンのガキに戻って後先考えず親友を助けに行きたいという気持ちがあるのかもしれません。


でも、そのために現代でできた友だちを裏切る価値はあるのでしょうか。



故郷

『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』でスティーブがワンダに見せられた悪夢。それは、友だちも、恋人も、家もなくなる。故郷がなくなってしまうことでした。
そのときは平気そうにしていましたが、ここに来てその影響が出てきたのかもしれません。



ペギーの葬儀のとき、スティーブはこう言いました。
「目覚めた時、知り合いは皆死んでいると思った。でも、ペギーだけは生きていてくれた。どんなに幸せだったか」

70年近くも眠っていたため、目覚めた時には故郷はおろか、知り合いすらいませんでした。ペギーだけが、故郷と自分を繋ぐ架け橋だったのです。
そのペギーが死んでしまい、残された橋はバッキーだけになりました。



バッキーを助けるということは、ただ親友を助けるというだけではありませんでした。
自らの故郷を守るためでもあったのです。

ここまで考えて、スティーブの行動が自分の中では理解できました。

2016年5月14日土曜日

『沈黙の追撃』ネタバレなし

今度のセガールは、マインドコントロールで操られた兵士と戦う!

合図が送られるまでは普通にしているから、誰がいつ襲ってくるかわからないという恐怖があります。

さらに、敵の秘密基地や潜水艦内部という密室など、シチュエーションも豊富です。


毎度のことながら、敵も味方もたくさん死ぬ潔い映画です。
セガールは単独行動で無双するより、チームで戦う方が面白いように思います。


一度でいいから、セガールがどうやって罠に気付くか説明してくれないかな~。


2016年5月13日金曜日

『ズートピア』後半ネタバレ注意

ディズニー・アニメーション・スタジオ
監督:リッチ・ムーア、バイロン・ハワード


今回もあらすじはネタバレなしです。

あらすじ

農場を営むうさぎの一家に生まれたジュディ。彼女の夢は、うさぎで初めての警察官になること。そして世界をより良くすること。

夢をあきらめないジュディは警察学校をトップで卒業。市長の要望で、誰でも何にでもなれる街ズートピアの警察署に配属される。

しかし、そのズートピアでは動物達の失踪が後を絶たず、すでに14人も姿を消していた。
ジュディは署長と揉めつつも、48時間もらい、キツネの詐欺師ニックと失踪事件の捜査を始める。



感想

ざっくりと感想を言うと、めちゃくちゃ面白かったです。子ども向け的なものを全く感じず楽しめました。
まさに万人向けです。


ここからはネタバレありです。


まだ映画を観てない方はご注意を。


動物たちの差別

娯楽映画と現実の問題を絡めて考えるのはあまり好きではありませんが、『ズートピア』は社会的な背景が気になりました。


ズートピアは「誰でも何にでもなれる街」と言われていますが、これはかつてのジャパニーズドリームと同じです。
アメリカンドリームのように億万長者にはなれませんが、努力をすれば身分や生まれに関係なく出世ができるということです。

しかし、現在の日本と同じく、ズートピアでも動物の種による差別・偏見が存在しています。
例えば、キツネはずる賢くて信用できないとか。
この偏見を打ち破り、差別を乗り越えるのがこの作品で描かれることなんですけどね。
これが人種のるつぼであるアメリカと重ねたのだろうかとか、いろいろ考えてしまいます。


失踪事件が一旦解決されると、別の差別が姿を現わします。
それが肉食動物に対する差別です。

肉食動物はいつ凶暴になるかわからないという、根拠もあいまいな理由で、対策を講ずるのではなく、目に触れないところに異動させたり追い出したりしてました。
ここまで行くと差別というか排除です。

不快に感じるものを排除するっているのは現実にも起きています。
例えばホームレス排除。
駅前とかに小屋を立てて暮らすのは不快だということで、支援するのではなく、追い出すのです。


こういうことを考え出すと、観終わった後の爽快感がモヤモヤに変わってしまいます・・・。


バディ・アクション

爽快感を取り戻しましょう。
『ズートピア』で最高なのが、ジュディとニックの息の合ったバディ・アクションです。


警察と詐欺師、うさぎとキツネ。真逆のふたりですが、お互いの弱みを上手く補いながら陰謀に迫ります。
ていうかまさか陰謀を暴く話を観られるとは思いませんでした(笑)
ディズニー恐るべし!


吹き替えも良かったです。
ウォシャウスキー姉弟(もう姉妹になった?)監督の歴史に残る赤字映画『スピードレーサー』で悪夢のような吹き替えをした上戸彩が、かなり上手になっていました。ジュディの声に何の違和感もありませんでした。
ニックの声は森川智之。声優の方なので完璧でした。

WDJやればできるじゃん!

ジュディがエロいとか森川さんのいろんな声が聞けたなど、いろんな評価を目にしました。
とにかくこのコンビは素晴らしかったです。

続編作ってくれないかな。



疑問

世界観にいまひとつ腑に落ちない点があります。

文明化した動物たちが仲良く暮らすのは良いんですが、その「動物」はみんな哺乳類です。しかも犬とか猫のようなペットはいません。サルもいませんでした。
なぜなんでしょう?

だから”ズー”トピアなのかもしれないですが、そこの説明が欲しかったです。

2016年5月12日木曜日

『レイダース 失われたアーク〈聖櫃〉』ネタバレなし

監督:スティーブン・スピルバーグ
製作総指揮:ジョージ・ルーカス
主演:ハリソン・フォード
脚本:ローレンス・カスダン
音楽:ジョン・ウィリアムズ

1981年にこの布陣とか、妄想するだけでも楽しいのにホントに映画作ってるから凄い。最高すぎる!

このとんでもない製作陣の映画が、『インディ・ジョーンズ』シリーズの1作目です。
今年で35周年です。テレビでやってたのを録画して観ました。

最初に観た時はかなり前なので、あんまり覚えてなかった・・・。


「インディ・ジョーンズ」と言おうとして「インディン・ジョーンズ」と発音してしまう人って意外と多いですよね。
私も「インディン」って言っちゃったことあります。
だからいつも「インディアナ・ジョーンズ」と言うようにしています。



あらすじ

1936年。ナチス・ドイツがタニスの遺跡を発見し、強力な力を持つと言われるアークの発掘を始めた。

陸軍諜報部がその情報を傍受し、先にアークを手に入れるべくインディ・ジョーンズに協力を仰ぐ。というより丸投げする。

インディはまず、アーク研究の第一人者である恩師レイブンウッドのもとを訪ね、彼の娘で元カノのマリオンと再会する。
しかし、同時にナチスもレイブンウッドを訪ねてきた・・・



感想

さすが、ものすごく面白い!!
それに有名なシーンがすごく多いですね。さすが名作。

冒頭のトレジャーハントには、センスこそ古いものの一気に引き込まれる魅力があります。
それにインディがどんな人物かもしっかり説明しています。


気に入ったところは、エジプト人たちの息がぴったりすぎるところです。
インディがトラックで車庫に逃げ込んだら、一瞬で車庫を出店で隠したり、銃声がしたら全員でさっと伏せたり。
ああいうユーモアは他の映画であんまり観た事ないように思います。


ジョン・ウィリアムズの音楽も素晴らしいです。インディのテーマ曲を聴いたことのない人なんているのでしょうか。
近所のコンビニでも流れてた気がします。
改めて聴くと『スター・ウォーズ』に似た雰囲気の曲もありました。

ジョン・ウィリアムズは『スター・ウォーズ』の音楽も手掛けてるから、似たような雰囲気を持ってて当然と言えばそうなんですが。


ルーカスフィルムがディズニーに売却された今、インディ・ジョーンズもディズニー・キャラクターなんですね。
前からシーにはアトラクションありましたが。

2016年5月11日水曜日

『21ジャンプストリート』ネタバレあり

監督:フィル・ロード&クリストファー・ミラー
主演:チャニング・テイタム、ジョナ・ヒル


大傑作『レゴ・ムービー』の監督コンビのアクションコメディです。
かなり面白いですよ!!

この監督の名前は覚えとくと良いと思います。きっとまた傑作を作ってくれそう。

シリーズ3作目は『メン・イン・ブラック』とクロスオーバーするのだとか。


あらすじ

ここはネタバレなしでいきます。


同じ高校出身で一緒に訓練を受けて警察官になった、グレッグとシュミット。
いろいろあってジャンプストリート署に飛ばされ、潜入捜査を命じられる。

兄弟に偽装し母校である高校に学生として潜入し、新種のドラッグの元締めを見つけろ。捜査中はシュミットの実家で暮らせ。

高校時代、グレッグはウェイ系の人気者で、シュミットは非モテオタクだった。しかし、偽の経歴を覚えずに高校に行ったため、グレッグはオタク、シュミットはイケイケキャラで入れ替わって潜入することになってしまう。



感想

こっちはネタバレありです。


基本登場人物バカだけど、不快なバカはいないので安心してください。バカ故に笑えます。
映画を観る前に自分の偏差値を少し下げておくとより楽しめるかも。
ちなみに私は下げずに楽しみました。


アクション映画あるあるを上手い事使っていました。
ガスボンベやガソリンを積んだ車両をカーチェイスに巻き込んで
「爆発するー!」
からの
「爆発しねーのかよ!」
の流れが完璧すぎました。間違いなくこの映画1番の名シーンです!

ここだけループで1日観ていられるくらい気に入りました。


実際の高校生活と潜入後の高校生活でふたりの役割が逆転したことが、笑わせるだけではなく、羨望や嫉妬を上手く描くことに繋がっていました。
同時に、人は見た目ではなく誰といるかで決まる、という人間関係が浮き彫りになっているようにも見えました。

私はそういうこと意識したことはないんですが、映画ではよく友だち作りに必死になる描写があります。とくに学校生活最初の日とかは人気者のグループに入ろうと必死になったりします。
最近観た映画では『モンスターズ・ユニバーシティ』がそんな感じでした。


疑問に思ったことは、「コカインはダメだけどマリファナはOK」ってどこから来た発想なんでしょう?コメディ映画でちょくちょく出てきます。
どっちもやっちゃダメですよ。


2016年5月10日火曜日

『インビクタス 負けざる者たち』ネタバレなし

監督:クリント・イーストウッド
主演:モーガン・フリーマン



あらすじ

南アフリカ共和国の大統領にネルソン・マンデラが就任した。
国はアパルトヘイトに苦しんだ黒人と、黒人大統領の誕生で自分たちが差別を受けるのではないかと恐れる白人で満ちていた。

そんな南アフリカをひとつにまとめるためにマンデラが行ったことは、アパルトヘイトの象徴とまで言われ、負け続きのラグビー南アフリカ代表チーム「スプリングボクス」の立て直しだった。

ワールドカップまであと1年。ボクスは厳しい練習に加え、全国の子ども達にラグビーを教えて回った。

1回戦突破すら難しいと言われたスプリングボクスは、どこまで勝ち進めるのか!
そしてマンデラは南アフリカをまとめることができるのか!



感想

ラグビーなんて五郎丸しか知りませんでしたが、試合のシーンは何が起きているか分かるようになっていました。ルールわからなくてもちゃんと泣けます!

マンデラの警護官には白人と黒人がおり、最初は互いに反目していました。
これが国民の縮図としての役割を持っています。彼らが警護とラグビーを通してどう変わっていくかに注目すると面白いです。

ラグビーの試合が始まる前、相手チームがマオリ族の伝統舞踊を披露します。ところがそれが「ガンバッテ ガンバッテ ガンバッテイコー」にしか聞こえません。空耳です。
思わず笑ってしまいました。緊迫のシーンなのに・・・。


2016年5月8日日曜日

『イップ・マン 葉問』ネタバレなし

監督:ウィルソン・イップ
主演:ドニー・イェン


前作『イップ・マン 序章』のその後を描くシリーズ2作目です。




あらすじ

家族とともにイギリスの植民地の香港に移り住んだイップ・マン。
武館を開き弟子を取るも、ほかの武館の弟子たちとトラブルを起こしまくり。さらに、武館を開くには掟に従い、各武官の師匠と手合わせしなければならないという。
イップ・マンの苦労は絶えません。

あるときイギリスからボクシングのチャンピオンが試合に訪れる。しかし、性格が最悪のチャンプはカンフーを侮辱したことから、カンフーvsボクシングの異種格闘技戦が始まる。


感想

これまた見事なカンフーアクションが観られるからオススメです。
ストーリーの大筋が前作と同じで驚きましたが、おもしろいから問題ない(笑)

メイキングで、家族との生活を丁寧に描いたと言っていたが、そうでもないです。登場人物のバックボーンをもっと掘り下げるべきでした。
むしろ、アクションの説得力のほうがあったように思います。

ドニーのアクションは今回もキレッキレです。そもそもこのアクションを観るためだけに観始めたシリーズだったので、大満足でした。

2016年5月7日土曜日

『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』ネタバレあり

監督:デイブ・フィローニ

2008年に公開された劇場版です。
スター・ウォーズ セレブレーション・ジャパンで新たな映像が公開されたりと、盛り上がっていました。

私にとっては初めて劇場で観たスター・ウォーズでした。
思い出がたくさん詰まってます。



盛りだくさんのスター・ウォーズらしい要素

スター・ウォーズといえば、ライトセーバーバトルに宇宙船同士の撃ち合いなどが挙げられますが、全部入ってます。

特に地上戦は激しいやつが何度も繰り広げられます。というかずっとやってるかも。
ライトセーバーバトルにしても、オビ=ワン対ヴェントレス、アナキン対ドゥークーという申し分のない組み合わせ。

ドッグファイトはボリューム低めですが、十分楽しめます。

さらにシスが暗躍しているという最高の組み合わせ!


でも、いまいち楽しみきれないのです。
これほど盛り上がる要素があるのに、なぜなのでしょうか。

未熟で生意気にアソーカが多少鑑賞ストレスになるとはいえ、そこまで酷いものではありません。
適度にユーモアを混ぜてくれるので、むしろいてくれないとつまらないです。




明確にこれが悪いというものはわかりません。
子ども向けなのかな~とか、テンポが遅めなのかな~としか私には言えません。

ですが、他のスター・ウォーズ映画に比べて短めなので、サクッと観られます。
フォースが足りないときに気軽に観られるところは気に入っています。


クローン・ウォーズの設定はカノン(正史)では、かなり重要度を増しているので、ファンならチェックしておくべき作品です。

2016年5月6日金曜日

『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』ネタバレあり

映画を観た前提で書くので、観てない人は「?」となると思います。

とてつもなく情報量の多い映画だったので、自分の頭を整理するためにも書きます。

でも1回しか観てないからしんどい。


暗躍するジモ

予告では一切姿を見せず、本編でも地味な見た目で暗躍していました。

ウルトロンとアベンジャーズの戦いの被害が思ったより大きく、父と妻子を失います。
それ以来復讐に憑りつかれました。


彼の狙いはアベンジャーズの崩壊。

そのカギとして利用されたのがバッキーです。


まず、ソコヴィア協定の調印式での爆破テロをバッキーの仕業に見せかけ、指名手配で公開捜査させます。
バッキーをあぶり出すことができれば、キャップが動くことが分かっていたのでしょう。

思惑通り、キャップは犯罪者であるバッキーをかばって突入部隊を攻撃し、さらにはブラックパンサーまで加わり大暴れします。

結局バッキー、キャップ、ファルコン、ブラックパンサーは逮捕されますが、そこにジモが現れます。

バッキーの精神鑑定を担当する精神科医になりすまし、ヒドラの洗脳を利用します。そしてバッキーを操り、脱走させることに成功します。


チームアイアンマンを振り切ったバッキーをキャップたちは確保。洗脳が解けていたバッキーにジモの狙いを聞きます。
そして、他のウィンター・ソルジャーの存在やジモのことを知ります。

これもジモの計算のうち。敢えて精神科医の死体など手掛かりを見つけさせ、自分の後を追わせます。


案の定、空港でのバトルを突破したキャップとバッキーは、ジモを追います。それをこっそりアイアンマンが追います。ついでに国王陛下も。


ジモの計画に気づき、真相のもとに再び団結したキャップとアイアンマン。
しかし、ジモは彼らにトニーの両親の死の真相を見せます。激昂したトニーはバッキーに復讐しようとします。
ジモの仕組んだ通り、アベンジャーズは死闘を繰り広げることになってしまいました。そして大きな傷跡を残し、アベンジャーズは分裂したのです。


目標を達成したジモは、自殺をしようとします。しかし、ここでようやく計画が崩れます。ブラックパンサーが自殺を止めてしまいます。
しかし、時すでに遅し。ジモは勝ったのです。


復讐が復讐を呼ぶ

今作は数々の復讐や憎悪が登場します。
アベンジャーズは何度も世界を救ってきましたが、その度に犠牲者も出ていました。そのツケが回ってきたのでしょう。

皮肉にも、ここにアベンジャーズは復讐する側から、される側になりました。

ジモとブラックパンサーはともに復讐の念に駆られていますが、最後に復讐の環を閉じたのはブラックパンサーでした。
復讐を終えたジモの空虚な姿に、ティチャラは未来の自分を見たのかもしれません。



トニー・スタークの苦悩

『シビル・ウォー』でのトニーは、一番ストレスが多そうでした。疲れた顔をして口数も少なかったように思います。


考えてみれば、トニーはアベンジャーズの中で最も犠牲者に対して気を遣っていました。

スターク・インダストリーズの兵器がテロリストに使われていることを知って、兵器製造をやめました。
ワンダに悪夢を見せられ、暴走したハルクと戦ったときも、ビルを破壊する前に無人であることを確認して上に買い取ったり、素早く基金を設立して支援していました。

同時に最も有名であるがゆえに、最も非難を浴びやすい人物でもあります。
わざわざ講演の会場にまで責めに来た人もいました。


ワンダに見せられた悪夢も尾を引いています。
力を尽くさなかったせいで皆が死んだ。それを怖れて、今回ソコヴィア協定賛成派のリーダーになったのでしょう。

とにかくみんなを守りたかっただけなのです。なのにキャップは犯罪者の友だちのためにチームの立場を悪くさせる。

さらに、チームキャップを殺しかねない勢いのロスと、まったく状況を見ようとしないキャップの間で板挟みになります。挙句の果てに、味方だと思っていたナターシャに裏切られます。

とことんかわいそう。観ていてトニーの健康面が心配になりました。



ハワード・スタークは生前、トニーに対して冷たかったようです。トニーも優秀な科学者ですが、ついに認められないまま両親は事故死します。
冒頭、トニーは過去の記憶を再現し、理想的な形に作り替えて再現する装置をお披露目します。そのシーンで、トニーが「愛してるよ」と言っていることから、実際のトニーと両親の最後の会話はもっと冷たいものだったのでしょう。

トニーは父に認められたかったが、『アイアンマン2』で認められます。そこでトニーは父にまた新たな感情を持つのですが、そのせいで事故の真相を知ったときの反応が激しいものになったのかもしれません。



単純なキャップ

それに比べて、キャップの行動動機は単純に思えます。
ペギーの葬儀に参列して、「どうしても譲れないときには絶対に譲らない。そこをどけと言われたら、こう言う。お前がどけ。」というペギーの言葉にとことん従います。

それが結局、ソコヴィア協定よりも親友が大事。ということです。


キャップはとにかくバッキーのためだけに動きます。

射殺命令が出れば助けに行くし、濡れ衣だとわかれば真実を求める。ソコヴィア協定を盾に止めに入るチームアイアンマンは関係ないのです。
「お前がどけ」の対象に過ぎないのです。





とにかく復讐と憎悪にまみれたヒーロー同士が容赦なく戦い続ける映画ですが、ユーモアをくれるキャラクターが必要です。いないと辛い。
その点、アントマンとスパイダーマンに助けられました。

やっぱり1回観ただけでは捉えきれません。これは繰り返し何度も観たい映画です。

2016年5月5日木曜日

『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』ネタバレなし

監督:ルッソ兄弟


あらすじ

ニューヨーク、ワシントンDC、ソコヴィア・・・。アベンジャーズは何度も世界を救ってきたが、同時に罪なき人々が犠牲になってきた。

そこでアベンジャーズを国連監視下に置くというソコヴィア協定が掲げられる。

賛否をめぐり議論を交わすアベンジャーズのメンバーたち。しかし、ウィンター・ソルジャーが姿を現わし、事態は急激に悪化していく。

そして、チームは真っ二つに。悪役不在、全員ヒーローの戦いが始まる。



予習は必要?

予習なしでも十分楽しめると思います。ヒーローが入り乱れる戦いは、それだけでかなりの迫力があります。
少々わかりにくいところもあるかもしれませんが、ストーリーも楽しめると思います。

新登場のブラック・パンサーが意外としっかり描かれるので、そこらへんは確実に楽しめます。


100%楽しみたいという人は、『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』『アントマン』を観ておけば良いでしょう。

余裕があればそのほかのMCUの他の作品や『スター・ウォーズ エピソードⅤ 帝国の逆襲』を観れば完璧です。



感想

満足のいく作品でした。ものすごく面白かったです。でも同時に辛くもありました。今までずっと応援してきたヒーロー同士が戦う訳ですからね。もう誰を応援すればいいのかわかりません。
「よしいけ!」と思う反面「やめて!」とも思ってしまうから、かなりしんどいです。

同じくヒーロー同士が対決する『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』と比べると、完成度は『シビル・ウォー』のほうが高いです。
というか全体的に勝っていると思いました。

強いて言えば、観終わった後のすっきりさは『バットマンvsスーパーマン』のほうが良かったです。でもあれは結局ヴィランが現れて団結したからな・・・。そっちに逃げたといえばそうなんだよな・・・。

その点、『シビル・ウォー』はとことんヒーロー同士が戦います。覚悟して観てください。

2016年5月4日水曜日

『スター・ウォーズ フォースの覚醒』ネタバレなし

May the 4th be with you!

5月4日はスター・ウォーズの日です!
なので今回はシリーズ7作目『フォースの覚醒』を紹介します。


監督:J・J・エイブラムス
主演:デイジー・リドリー




あらすじ

『エピソードⅥ ジェダイの帰還』からおよそ30年。帝国が倒れ、新共和国が樹立。銀河に自由と平和が戻った。
しかし、帝国の残党から「ファースト・オーダー」が生まれ、着々と力をつけていた。

新共和国はファースト・オーダーを脅威とは見なしていなかったが、レイア・オーガナ将軍らは違った。
表向きは新共和国と無関係の組織「レジスタンス」を結成し、邪悪なファースト・オーダーに立ち向かう。

そして今、ファースト・オーダーとレジスタンスは同じ目的を持っている。

姿を消した最後のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーを見つけることだ。

砂漠の惑星ジャクーにいるレジスタンスの支持者ロア・サン・テッカがスカイウォーカーの居所に関する手掛かりを見つけたという知らせが入る。

レイアはレジスタンスのエース・パイロット、ポー・ダメロンを手掛かりの回収に向かわせるが、一方でファースト・オーダーも部隊を派遣する・・・。



魅力的な登場人物

ハン・ソロやレイア姫など、オリジナル三部作(エピソード4~6)に登場したメインキャラのほとんどが本作に再登場します。
それに加え、新世代となる新たなキャラクターも魅力的です。

レイ

ジャクーで暮らし、廃品回収で生計を立てている。喧嘩には強く、ニーマ・アウトポストではちょっとした有名人らしい。
BB-8やフィンと出会い、人生が一変する。


フィン

ファースト・オーダーのストームトルーパー。訓練生時代は優秀で、いずれは幹部になると目されていた。しかし、冷酷になれず、ジャクーの聖なる村襲撃後に脱走。
ゴーゾンの荒地に墜落し、ニーマにたどり着いたところレイと出会う。
かわいい女の子に少しでも良いところを見せようとするところが短所。


BB-8

ポー・ダメロンのドロイド。コロコロ転がるキュートな見た目で多くのファンの心を掴んだ。
ジャクーをさまよっているところをレイに助けられる。それ以降ぴったりレイにくっついている。


カイロ・レン

自称ダース・ベイダーを継ぐ者。強力なフォースを持っているが、使いこなせていない。
十字型のライトセーバーを操り、レイたちを追い詰める。
アラサー。




感想

私としては、思い入れが強いこともあり、シリーズで1,2を争うほど好きです。

しかし、セルフオマージュ(シリーズの過去作に対するオマージュ)がとても多いです。だから昔ながらのファンほど、展開が読めてしまうし認めがたい一面もあるかもしれません。

一方で、そのような状態を逆手にとって驚かせるシーンもあります。あれには唸りました。


『フォースの覚醒』にはライトセーバーバトルや、ドッグファイトがあるものの、艦隊戦や大規模な地上戦はありません。
スター・ウォーズらしい要素は抑え気味なのに、ものすごく面白いんです。

この点は『新たなる希望』と似ています。

過去作とのライトセーバーバトルの方向性の差異、圧倒的なエース・パイロットの存在が効いているのではないかと思っています。
特に後者は万人ウケしている印象です。

簡単に言えば、超かっこいいってことです。


セルフオマージュのせいで楽しめないと思っている方がいたら、この方法を試してみてください。私はこれで楽しめるようになりました。

その方法とは、連続して4回観るのです。

公開3日間で6回観たのですが、4回目から化けました。ものすごく面白くなりました。腑に落ちなかったところが、すべて認められるようになったのです。
すべては言いすぎですね。9割ほどです。

え?お前だけだって?その言葉には、何も反論できません。



最後になりますが、『フォースの覚醒』を観るにあたり、過去作の復習は必要ないと思います。
何も知らない状態で観ることで、レイと同じ目線で楽しむことができるのです。

それで映画が面白かったら、次は『エピソードⅣ 新たなる希望』から順番に観ていけば良いと思います。
『エピソードⅥ ジェダイの帰還』まで観てから『フォースの覚醒』を観れば、今度はハン・ソロ目線で楽しめます。

2016年5月3日火曜日

『アイアムアヒーロー』ネタバレなし

監督:佐藤信介
主演:大泉洋


珍しく邦画を観てきました。

まあでも漫画の映画化だし、所詮邦画だし・・・とハードル下げて観に行ったんですが、俺の知ってる邦画じゃない!!超面白い!!!
個人的には『ドーン・オブ・ザ・デッド』より好きです。


なによりも肉塊に変えるゾンビの数が多くて素晴らしい!



前半、日常生活が崩壊するまでが少し長く感じました。そのおかげで主人公の身の回りの人がゾンビ化したときのショックは増していますが、もう少しコンパクトにまとめて欲しかったです。

ゾンビが現れ、パニックの中逃げるところは凄いです。韓国ロケの甲斐あって見応え抜群でした。

予告でも言っていた「高い所なら大丈夫。富士山に登れ」のくだりは正直必要なかったです。結局アウトレットにたどり着く理由にしかなっていなかったので。

クライマックスは最高でした。細かい事はネタバレになるので言いませんが、文句なしです。
3D映えする映像もあったのですが、2Dしかないのは残念です。



タイトルの「I AM A HERO」は、なぜ「A HERO」であって「THE HERO」じゃないのかと思っていましたが、ちゃんと答えも用意してありました。素晴らしい!!



ゾンビ映画と言えば『バイオハザード』シリーズが人気(?)のようですが、『アイアムアヒーロー』のほうがはるかに面白いです。
『バイオハザード』はゲームのほうなら面白いんでしょうか?多分酔うからできませんが(笑)

2016年5月2日月曜日

『沈黙の激突』ネタバレなし

スティーヴン・セガールが新種の麻薬で殺人マシーンと化した中毒者と、その陰に隠されたテロ計画と戦う!


毎度のことながらツッコミ所満載だが、そこを気にしてはいけません。
圧倒的な強さを誇るセガールを観ていれば良いのです。絶対勝つから安心して観ることができます。

相棒のドウェインのアクションのほうが見応えあって良かったです。彼の場合は必ず勝つとは言いきれないので、少しハラハラします。

これ以上言うことはありません。

お酒片手に観ましょう。オススメ映画ならぬオツマミ映画です。



2016年5月1日日曜日

『シュガー・ラッシュ』ネタバレなし

製作:ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ
監督:リッチ・ムーア


録画して観たらめちゃくちゃ面白かったディズニーの3DCGアニメ『シュガー・ラッシュ』をオススメします。


主人公は「フィックス・イット・フェリックス」というゲームの悪役ラルフ。なんでも壊すからゲーム内の仲間に嫌われています。
ちなみに、このゲームの主人公はフェリックス。魔法のハンマーでなんでも直します。

ゲームの30周年記念パーティーがフェリックスの家(ゲームでラルフがいつも壊すところ)で開かれます。
他のゲームからいろんなキャラが招待されているのにラルフは招待されていません。自分にも参加する資格はあるはずだと思ったラルフはパーティーにおしかけます。

そこで紳士的に振る舞おうとするも、嫌われ者ゆえに受け入れてもらえません。
ヒーローのメダルが欲しいとラルフが言っても、悪役だから無理だとバカにされます。カッとなってパーティーを台無しにしかけたので、「絶対にヒーローのメダルを手に入れて見せる」と言いきって出て行きます。

ラルフはどうやってメダルを手に入れるのか。そしてそのあとには予想だにしない試練がラルフを待っているのです・・・。




あらすじで紹介したところまで観て「ああ、これは悪役が活躍してヒーローのメダルをゲットするハッピーエンドのお話か」と思ったら、そんな単純ではありませんでした。
デフォルメも解像度も違うキャラクターが入り混じったアクション映画です。

悪役はヒーローになれるのかというより、ヒーローとは何かを突きつける作品です。

一番良いのは映画のタイトルにもなっている「シュガー・ラッシュ」というレースゲームのキャラクターのヴァネロペとラルフの関係です。
ヴァネロペは初めウザかったけど、実はラルフと同じ境遇にあり、行動の動機も同じだと分かってから魅力的なキャラになりました。

最後はこのふたりの活躍が熱いんです。特にラルフのヒーローっぷりが素晴らしい。
さすがディズニー!

あと小ネタが笑えます。ゲームのキャラクターだという設定を上手く活かして笑わせにくる。

オススメです。是非観てみてください。

そうそう、ダース・ベイダーの呼吸音が流れるシーンありました(笑)
探してみてください。